北海道以南の各地、および黄海、東シナ海に分布している。全長は70cmに達し、食用になるフグ類のなかでは大形種である。食用として取引されるフグの中では最も高級とされるが、他のフグ類同様、フグ毒(テトロドトキシンという神経毒)を含むため、調理には免許が必要とされる。卵巣、肝臓は強毒、腸は弱毒、筋肉、精巣、皮膚は無毒であり、特に精巣(白子)はクリームのような滑らかな味に旨味と、上品な甘味があり絶品である。
魚種豆知識
刺身は薄造りにし、大阪ではこれを「てっさ(鉄刺)」と言う。鍋は醤油味をつけない「ちり」。大阪では「てっちり」と言う。鰭(ひれ)は干して焦がすくらいに焼き、熱燗を注ぎ鰭酒(ひれざけ)にする。漢字では「虎河豚」と書くが、虎のような紋様があるわけでもなく、その由来は不明である。
養殖方法
トラフグは膨れたり、噛み合ったりと他の養殖魚とは少し異なる特徴があります。噛み合うことで尾鰭などが傷付き、商品価値が下がります。それを防ぐため「歯切り」という特別な作業を行い、歯を切ることで噛み合っても傷付け合うことが少なくなります。
養殖の歴史1980年 養殖用の稚魚の歯切りよる生残率の向上を発表。 2008年 稚魚期の低水温飼育で雄の比率が高まる「トラフグ稚魚の飼育方法」として特許出願。 2010年 「トラフグ雄性化に関する記者会見」としてプレスリリース(東京)。
生産現場の様子
1980年 | 養殖用の稚魚の歯切りよる生残率の向上を発表。 |
---|---|
2008年 | 稚魚期の低水温飼育で雄の比率が高まる「トラフグ稚魚の飼育方法」として特許出願。 |
2010年 | 「トラフグ雄性化に関する記者会見」としてプレスリリース(東京)。 |
トラフグもマダイと同様に、春と秋の年2回採卵を行っています。秋に採卵することで、翌年の年末からの出荷が可能になります。